特定非営利活動法人(NPO法人)きっかけづくりの会

コラム

まんざらでもない

人間誰しも、平穏無事な人生を望むものである。しかし、思いもよらぬ事故や病気により、障害を背負うこともある。私自身、事故により、車いすの生活を余儀なくされている。

昨日までごく当り前に、出来たことができない。今までの経験を生かせないことに対する、苛立ちや悩みが、中途障がい者には、精神的にも肉体的にも大きな壁となる。

だが、残された機能を自分自身が知ることにより、新しい生活が生まれ、身体をうまく活用することで「人生、まんざらでもないな」と思えるのではないだろうか。

社会参加をするには、人との出会いが必要だ。人との出会いにより、豊かな心が芽生え、余裕が生まれる。

仕事柄、外出の多い私だが、最近人の手を借りることが多くなった。先日も自分ではどうにもならず、立ち止まっていると、高齢の紳士が通られ、思わず声をかける。一生懸命車いすを押した後、「よく、声を掛けて下さった。ありがとう」と反対に感謝の言葉をいただいた。こんな場面に遭遇する度に、「人間、まんざらでもないなぁ」と感じるのである。そして、誰でも何かが出来る。

障害があるからこそ分かる多くの問題を解決するには、自ら社会参加しようと自立しなければならない。いつまでも、受身でいては何も変わらない外へ出よう。

この世の中、まんざらでもないよ。

中国新聞掲載(原稿:奥田 )

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